二つの商業核(天神地区と博多地区)【第2弾】

二つの商業核(天神地区と博多地区)【第2弾】

福岡大学都市空間情報行動研究所によれば、博多マルイが開業したことで、週末に博多駅周辺の来訪者は1日16万2600人から17万2600人に増加、天神地区は27万5000人から26万6300人に減少、都心部全体では35万2700人で約千人増えるとする予測を発表しています。また、博多駅地区の商業施設の年間売上高の合計を約157億円押し上げると報告しています。
九州経済調査協会調べによる地区別商業施設の販売額では、博多駅地区が平成23年度から平成26年度までの3年間で+22.4%だったのに対し、天神は同+4.3%にとどまっているほか、キャナルシティも含めれば博多駅界隈は、天神地区に比し平成23年度の100:52が、平成26年度には100:59に縮まっていると報告しています。また、個々の商業施設の直近決算期でみても(下表参照)、天神エリアは、博多駅エリアと比べれば動きは弱いものとなっています。
日経MJによる平成28年(27年度)全国百貨店店舗別売上高をみてみれば、岩田屋本店の739億円が福岡市1位で全国23位。以下、大丸福岡天神店567億円、博多阪急438億円、福岡三越329億円の順になっています。これを売場面積で割れば、1位は岩田屋本店146万円/㎡。以下、大丸福岡天神店128万円/㎡、博多阪急105万円/㎡、福岡三越87万円/㎡と、売上高と同じ順番で、私見ではありますが意外にも博多阪急の健闘が光っています。
天神地区は、集計対象施設以外にも多くの商業施設が立地しており、その集積度及び範囲等に鑑みれば、博多駅地区と比較すれば未だ巨大商業地域として君臨しています。しかしながら、昨年春に博多マルイが開業したほか、博多駅前通りの整備等に伴い博多駅地区とキャナルシティ博多との連携が深まることも予想され、天神地区と博多駅地区の格差は益々縮まってくるものと予測されます。